マングローブ

メヒルギ(Kandelia candel)     ヒルギ科メヒルギ属

オヒルギ(Bruguiera gymnorrhiza)  ヒルギ科オヒルギ属

マヤプシギ(Sonneratia alba        ハマザクロ科ハマザクロ属



 マングローブは特定の一種の樹木ではなく、熱帯・亜熱帯の海岸地方の潮間帯に生育する一群の樹木とそのブッシュを呼びます。オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキなどヒルギ科の樹木がその主体で、この他にマヤプシギ、サキシマスオウノキ、ニッパヤシがあります。

 その呼び方のマングローブとは、スペイン語系のローカルな語マングル(林叢)と英語のグローブ(これも同じく林叢)との合成語だとも言い、あるいはヒルギ科の植物をマレー語でマンギ・マンギと呼ぶことから、これがさらに英語のグローブと合成されたとも言われています。

マングローブの主役の一つ、メヒルギは九州、琉球、台湾からインドまで分布する常緑の高木。
繁殖の方法は特長的です。メヒルギ、オヒルギともに胎生芽と言って、樹上でその種子が発芽しかつ根を出したものを落下させ、潮の干満のある軟らかい泥の上に刺さって、直ちに根を張り芽を伸ばすのです。(これはうまく着地すればの話ですが・・・曲がって落ちてしまって横倒しになるのもあれば間が悪くて潮に流されてしまう場合もあります。)胎生芽のサイズは長さ10〜15cmくらい。オヒルギの場合、それが枝に付いている宿存萼(しゅくそんがく)は、赤くて綺麗です。オヒルギは葉柄も紫を帯びた紅色で、濃緑の葉の色に映えて美しいです。



マヤプシギは生育場所は似たようなものですが、気根を出すことが特徴的です。気根とは、水中に根を出す樹木が、根の呼吸のために水に浸った地中を横に這っている根から直立に立ち上がらせた根のことです。まるで「たけのこ」のようです。葉は広くてほとんど円形の大きなもの。実はヒルギのように胎生はせず、むしろ気根を盛んに出しながら海岸から進んで行くのでマングローブ湿地の開拓者です。

 マングローブは河口や入江の泥湿地で成育しているのですが、泥湿地は極端な酸素不足(還元状態)なので、さまざま形状をした根が酸素を吸収して、酸素不足を補っています。

@タコ足のような「支柱根」 A膝を屈曲したような「膝根」 Bタケノコのような無数の「直立根」 C板状に広がった「板根」
ヤエヤマヒルギ
オヒルギ



マヤプシキ




メヒルギ




 同時に陸から流れ込む泥や土、栄養分を沢山含んだ水を受け止めるフイルターのような役割をしています。土地開発で流れ出た泥や土などがサンゴの海に直接流れ込むと、海が濁ってサンゴに必要な光が届かなくなったり、プランクトンが大量に発生したり。海の生態系を変えないように、マングローブはしっかりと余計なものを受け止めてくれています。

マングローブの林には沢山の生き物が棲んでいます。哺乳類や鳥類、爬虫類、両生類が住み、水中には、エビやカニ、貝などが暮らします。張り巡らされた呼吸根や支柱根は、荒い波で海岸がけずりとられるのを防ぎ、多くの稚魚が安心して暮らせる大切な空間を作ってくれています。      

                        
 今、マングローブが世界中で注目を集めています。塩分に強い特性を持つところから、海岸線に沿って潮に浸されるところ、すなわち塩湿地に生育するところや、近来、塩やアルカリの析出して、通常の樹種では緑化の困難な砂漠などで試用されつつあるそうです。タイの南部でも毎年植林し、マングローブのおかげで栄養塩類が集積され、プランクトンの発生量が大きく栄養たっぷりの天然の栽培漁場ができ「牡蠣」の養殖が盛んになりました。                          


マングローブは、大自然を守っていると言っても過言ではないでしょう。 


西表島仲間川のマングローブ
 



 


  


マングローブ見学ツアーで行きかう船が作る波がマングローブを倒してしまうので、マングローブを守るために、
船長は波が立たない様にとても気を使うそう。                              


   

夜には西表ヤマネコが来るらしい・・・会いたかったな・・

      



自然のままの島でした。でもそれは守っている人々がいるから・・・いつでも観光に行けてしまう今こそ、自然との約束は守らねば・・・と誓わずにはいられない。



西表島面積(約284ku・・佐渡の約1/3)の約90%がこのように山とジャングル